吸血鬼カニ

鮮やかな黄色い目を持つことからその名がついたとされる淡水性のカニ「バンパイアクラブ」。以前からペットとして人気を博しているこのカニの仲間には、どこで採取されたのかがあやふやなものも存在していたそうだ。ところがこのほど東南アジアで実施された調査によって、特に需要の大きい2種が新種であることが判明し、学名をGeosesarma dennerleとGeosesarma hagenと名付けられたそうだ。これらのカニはインドネシア・ジャワ島のそれぞれ別の渓谷で発見されたとのこと。今回のカニはある意味特殊なケースで、10年も前からペット市場に出回っていたがどこから来た種なのか分かっていなかったそうだ。

G. dennerleは体が濃い紫色で、背中にクリーム色の斑が入っている。もう一方のG. hagenは人目を引く鮮やかなオレンジ色をした殻とハサミを持っている。東南アジアをはじめ世界中の水生生物ディーラーは、顧客が色鮮やかな生き物を欲しがることをよく分かっているので、現地のディーラーたちが学者がまだ調査をしていない場所で採集を始めると、突如として未記載の生き物の市場ができてしまうのだそうだ。インドネシアにはまだ名前のついていないバンパイアクラブがたくさんいるだろうと言われている。新種であることが判明した2種のバンパイアクラブは、おそらくそれぞれが一つの川の流域だけで生息しているため乱獲の犠牲になる可能性が高い。バンパイアクラブのような珍しい水生生物の保護に関しては、今のところこれといった解決策がないのが現状だそうだ。この先商業的な繁殖が行われ、天然のバンパイアクラブが捕り尽くされることが無いよう願うばかりだ。